はじめに

平成30年度日本遺産魅力発信推進事業「北前船ブランド」の普及を目的として「女子大生による北前船文化の調査・企画プロジェクト」を開始することとなりました。
このプロジェクトの推進のため、大妻女子大学家政学部内の3つのゼミによる「北前船文化研究チーム」が発足いたしました。

本プロジェクトでは、一般社団法人 北前船交流拡大機構と連携し、 来年2月までの6ヶ月をかけて北前船の魅力発信や 各寄港地の特産品の効果的なPR手法などについて 調査・企画をおこなっていきます。
今回は首都圏在住の若年層に向けて「北前船ブランド」を普及させるため、 “若者の街”として知られる渋谷を舞台とし、プロジェクトテーマを「北前船が現代の渋谷にやってきた!」に設定しました。

学生の皆さんにはそれぞれ北前船の船主となっていただき、 同世代ならではの視点から、積荷(各寄港地の特産品)を若者向けにアップデート! ゼミごとに特産品(スイーツ)、衣料品、工芸品など研究対象を選んでもらい、調査・企画を進めていただきます。

平成30年度日本遺産魅力発信推進事業
「北前船ブランド」の 普及を目的として
「女子大生による北前船文化の調査・企画プロジェクト」
を開始することとなりました。

このプロジェクトの推進のため、大妻女子大学家政学部内の3つのゼミによる
「北前船文化研究チーム」が発足いたしました。

本プロジェクトでは、一般社団法人 北前船交流拡大機構と連携し、
来年2月までの6ヶ月をかけて北前船の魅力発信や
各寄港地の特産品の効果的なPR手法などについて
調査・企画をおこなっていきます。

今回は首都圏在住の若年層に向けて「北前船ブランド」を普及させるため、
“若者の街”として知られる渋谷を舞台とし、プロジェクトテーマを
「北前船が現代の渋谷にやってきた!」に設定しました。
学生の皆さんにはそれぞれ北前船の船主となっていただき、
同世代ならではの視点から、積荷(各寄港地の特産品)を若者向けにアップデート!
ゼミごとに特産品(スイーツ)、衣料品、工芸品など
研究対象を選んでもらい、調査・企画を進めていただきます。

ゼミの紹介

大妻女子大学 家政学部

ライフデザイン学科
ライフマネジメント研究室

宮田 安彦 教授

被服学科
ファッション造形学研究室

大網 美代子 准教授

ライフデザイン学科
工芸デザイン研究室

須藤 良子 専任講師

プロジェクト初回となる2018年7月5日は学内講義室にて3ゼミ合同で北前船日本遺産推進協議会事務局ANA総合研究所 主席研究員 中野秀治氏による特別講義が行われました。文化庁日本遺産の概要を紹介したのち、「北前船」についての総論講義が行われました。北前船の果たした歴史的な役割、流通や商業面での特徴などが紹介され、聴講していた学生の皆さんに北前船についての大まかな知識を身につけていただくことができました。

▲ 北前船交流拡大機構 事務局長 篠原敏夫氏から今回の取組みの概要を学生達に解説
▲北前船日本遺産推進協議会事務局 主席研究員 中野秀治氏が、日本遺産としての北前船(文化)を魅力的に解説。また多くの寄港地を実際に訪問し、見聞きした事実を元に興味深い話を披露しました。

当日参加された学生の皆様からの声をいくつか抜粋してご紹介します。 今後は9月より各ゼミの授業時間にて調査・企画が本格的に開始され、2月にはその成果が発表される予定です。また10月中旬には渋谷にてゼミ学生の皆さんと日本遺産魅力発信推進事業関係者との交流会が開催される予定です。

北前船がただの船ではなく、日本の食の歴史に大きな影響を与えていたと知ることができました。より深く理解し、今回のプロジェクトを頑張りたいと思いました。

北前船の寄港地に発展したものや文化を広めたいということで、社会貢献できる良い機会だと思いました。私はその中でも、真田ひもが可愛く、また歴史的背景も面白そうだと思いました。そして、北前船により発展した港の作りにも興味が湧きました。自分自身も学びながら、楽しんで取り組みたいと思っています。

現代の渋谷で売り込むとしたらというのは難しそうだと感じますが、みんなでアイデアを出し合って出来れば良いなと思います。

今回の企画を通して様々な年代の人に北前船の魅力を知ってもらいたいと感じました。実際にどのように企画を進めていくのか、航路となった土地についてまだまだ理解不足な点が多々あるので、また直接お話を聞きたいです。更にその土地の魅力を肌で感じる為、 航路地何箇所かに直接足を運ぶことが出来たら嬉しいです。

大妻女子大学北前船文化研究チームとの連携によるプロジェクトは、いよいよ9月より実践のステップへと移行していきます。
去る9月27日には参加ゼミの一つ「須藤ゼミ」で、28日には同じく「大網ゼミ」にて、外部講師を招いての講義およびディスカッションが行われました。
外部講師には北前船コーディネーターの波佐本由香さんをお迎えしました。

須藤ゼミは「工芸品」のジャンルで調査研究を行います。北前船に関わる各自治体の工芸品のなかから候補となる研究対象をピックアップ。各地域と北前船との関連性を交えながら、波佐本さんに解説していただきました。また、丹後ちりめんや輪島塗、各種和紙などはサンプル品を用意し、学生たちにも実際に触ってもらうことでより研究対象に興味関心を持ってもらうことができました。
大網ゼミの研究ジャンルは「衣類」。各地の伝統的な布地や和紙、北前船と大きく関連のある帆布などがあります。波佐本さんには各地を巡って撮った現地の写真や、北前船にまつわるストーリーを解説していただきました。
両ゼミとも、講義の後のディスカッションでは、学生の皆さんから数々の質問や、女子大生ならではの着眼点でさまざまなアイデアが飛び交いました。
今後は2〜4名ごとの班に分かれて研究対象を選択。2月の発表に向けて調査研究が進んでいきます。

大妻女子大学北前船文化研究チームとの連携によるプロジェクトは順調に進んでいます。
去る11月1日には、参加ゼミの一つ「宮田ゼミ」にてゼミの様子を見学させていただきました。 宮田ゼミの調査テーマは「食」。北前船の積み荷として品目数でも多くを占めるとともに、日本の食文化形成という点においても非常に重要な意味を持つジャンルです。今回のプロジェクトでは女子大生による研究ということで、食の中でも「菓子・スイーツ」に研究対象を絞って進めています。

この日のゼミでは、学生の皆さんがチームに分かれてそれぞれの「コンセプト」を発表。
季節感や昔話との組み合わせによる商品のストーリー作りや、各寄港地の菓子を横断的に紹介する「スイーツコレクション」といった、さまざまなコンセプトが発表されました。とくに花や雪など四季折々の情景との連想、色味による視覚的効果への着目、和菓子のヘルシーさに注目する健康面での配慮などについては、女性らしい視点と感性がよく活かされていると感じました。

今後もさらに調査、研究がすすめられ、2月にその成果が発表されます。

大妻女子大学北前船文化研究チームとの連携によるプロジェクト、今回は須藤ゼミを見学しました。
須藤ゼミでは今回の連携プロジェクトのための「ロゴマーク」を学生の皆さんに考案していただいています。
この日は監修のデザイナー坪谷彩子さん指導のもと、ゼミの授業が進められました。

はじめに各班が考えてきたデザイン案を発表。大妻女子大学の校章やスクールカラー、 北前船にまつわる製品や海のイメージなどを取り入れつつ、季節の花や古典的な紋様などを 取り入れたデザインは、色使いや可愛らしさ、柔軟な発想など女子大生らしさが随所に表れていました。

発表されたデザイン案に対し、坪谷さんからは、デザインを他者に伝えるためのコンセプトシートの書き方や、 配置や配色等で変化を付けるロゴデザインパターンの出し方といったいろいろな角度からのアドバイスが成され、 質問と回答を重ねていきながら、学生たちの中にあるロゴマークへの想いや着眼点がより明確になり言葉になっていきました。
2月の研究発表時に、各案が発表される予定です。

平成31年2月5日、「大妻女子大学家政学部 北前船文化研究チーム」による成果発表会が、大妻女子大学講義室にて開催されました。
昨年7月から始まったこのプロジェクトでは、「北前船が渋谷にやってきた!」との全体テーマのもと、都市部の若い女性への「北前船ブランド」の普及を目指して、女子大学生の視点で「北前船の特産品を同年代の女性消費者にアピールできるよう、アレンジする」という課題に取り組んでいただきました。
プロジェクト参加の3研究室の学生の皆さんには、「衣」「食」「工芸」の3つのカテゴリーについて、北前船の運んだ各地の特産品、当時の文化やライフスタイルなどを学んでいただき、成果発表会ではそれぞれ以下のテーマについて発表をしていただきました。

【発表内容】
工芸デザイン研究室 須藤良子専任講師
1.北前船プロジェクトと大妻女子大学の共同研究に関わるロゴマークの提案
2.北前寄港地と工芸品について (漆、和紙、貴石、金属)
ファッション造形学研究室 大網美代子准教授
1.越中和紙と松前町桜  ―文化とトレンドをあわせた#かわいいアイテムの提案―
2.刺し子  ―かわいさと強度を兼ね備えた小物の提案―
3.帆布  ―帆布と特産品を活用したアイテムの提案―
4.ちりめん  ―女子大生がリアルに考えたちりめんの活用法―
ライフマネジメント研究室 宮田安彦教授
統一テーマ「北前船-船主の野望と軌跡」
1.一攫千金の夢-野望に満ちた人々の挑戦
2.蝦夷からの第一歩
3.富と名声を得た船主 -北の開拓者・高田屋嘉兵衛、海の百万石・銭屋五兵衛
4.舟箪笥に詰まった夢の結晶

各班からは、同年代の女子大生を対象とした意識調査や消費動向のアンケート、実際に自分たちが利用している商品販売サイトなどの情報分析、また既存の北前船関連商品に対する感想や改善提案などをベースに、そこから北前船の各種特産品を活かせるような新しい商品の開発案やアレンジの提案が発表されました。

▲ 実際に商品サンプルを作成して発表したチームも

当日は北前船寄港地の自治体と北前船交流拡大機構から関係者が出席。各班の発表が終わるごとに、関係者から質問もあり、学生との活発な意見交換も行われました。

最後に、北前船交流拡大機構の篠原事務局長より「7か月にわたり皆さんに北前船について研究していただき、この成果発表会では我々の思いつかない発想、アイデアをいただきました。非常にありがたい。みなさんのアイデアをぜひ活かせるようにしていきたい」と挨拶をさせていただきました。